ヘモグロビンA1c特集

【糖尿病】は恐ろしい病気だといわれます。
この【糖尿病】を改善するには、血糖値を下げなくてはならない―これが以前の常識でしたが、今では「ヘモグロビンA1c」を下げることがより重要だと言われるようになっています。
 “ヘモグロビンA1c”―なんでしょうか?ちょっと耳慣れないこの言葉。でも、【糖尿病】を調べると出てくるのです。

ヘモグロビンA1cってなに?

“ヘモグロビンA1c”とは、2010年7月から糖尿病診断の基準に加わった、慢性的な高血糖状態を診断するための指標で、血液検査の結果に「HbA1c」というアルファベットで表示される検査項目です。
従来【糖尿病】の診断は、高血糖の状態が慢性であるかどうかを調べる方法を血糖値だけに頼ってきました。しかし血糖値の測定を複数回、日を空けて行う必要があり、検査を受ける人の負担となるため、糖尿病の発見が遅れてしまう懸念がありました。
これに対し、“ヘモグロビンA1c”を判定項目に加えることによって1回の検査で糖尿病を診断できるようになりました。
結果的に【糖尿病】の早期発見、早期治療が可能になったのです。

では、この判定項目に加えられた“ヘモグロビンA1c”の正体は何でしょう。「ヘモグロビン」は血液中の赤血球に含まれるたんぱく質の一種で、酸素と結合して酸素を全身の細胞に送る役割を果たしている血色素です。このヘモグロビンは、血液中のブドウ糖と結合する性質を持っており、ブドウ糖と結合したものの一部が“ヘモグロビンA1c”と呼ばれています。

ヘモグロビンとブドウ糖は一度結合すると離れることがないため、赤血球の寿命(4ヵ月といわれる)が尽きるまで血管のなかを全身ぐるぐるとまわり続けます。その間血液中に余分なブドウ糖があれば次々に結合していきます。高血糖の状態が続けば続くほど、ヘモグロビンとブドウ糖は結合していくことになります。

“ヘモグロビンA1c”の数値は血液中のヘモグロビン全体に占める“ヘモグロビンA1c”の割合で示します。
血糖値が刻々と変化する中で、“ヘモグロビンA1c”の数値は過去1~2か月のより正確な血糖値の状態を教えてくれるため、血糖コントロールが良いかの指標となり、糖尿病の早期発見に役立つのです。

そもそも【糖尿病】がなぜ恐ろしいと言われているのでしょうか。

【糖尿病】とは血液中のブドウ糖(グルコース)濃度が異常に高くなる病気です。血液中のブドウ糖濃度が高いとなぜいけないのか?それは、赤血球にくっついたブドウ糖の仕業で、全身の血管障害、特に細い血管の障害が起きるからです。そして【糖尿病】を放置すると、様々な合併症を引き起こし、全身障害の原因ともなるのです。
例えば失明や足の切断などの深刻な事態を招いたり、脳梗塞や心筋梗塞など生命にかかわるものもあります。最近では認知症にもなりやすいことがわかっています。
【糖尿病】は初めのころは自覚症状らしい症状がありません。自覚症状が出た時にはすでに重症であったり、合併症が進んでいる可能性があるところも、この病気が恐れられている要因です。

“ヘモグロビンA1c”の値を下げましょう!

日本糖尿病学会ではこのように危険な【糖尿病】を防ぎ、合併症にならないようにするために、血糖値をどのくらいに維持すればよいかという目標値を設定しています。
特に重要なのは過去1~2カ月間の血糖値の平均を示す“ヘモグロビンA1c”の値です。ヘモグロビンA1cの値は6.0%未満であれば正常。6.0%~6.4%は【糖尿病】を否定できない状態です。6.5%以上は常に血糖値が高い状態にあることを示しており、【糖尿病】が強く疑われます。“ヘモグロビンA1c”の値を正常に保つには、日々の生活習慣に気を付けることが重要です。

「おなかいっぱい食べないと気がすまない」「ごはん、パン、めん類が好き」「休日は家でごろごろしている」―。どうでしょう。思いあたるところ、ありませんか?エネルギーオーバーや糖質の取りすぎは【糖尿病】の原因です。もうすでに【糖尿病】と診断されてしまった方も、処方された薬を飲んでいるから大丈夫!なんてことはありません。食事療法と運動療法、生活の基本となる治療を正しく続けない限り、薬の効果は期待できません。

 食材、量、調理方法、食べる順番、それに無理なく続けられる運動。気を付ければ、【糖尿病】は防げますし、自力で改善も可能です。
どんなやり方がご自分に合っているか、ぜひいろいろ試してみてください。

記事参考書籍:「ヘモグロビンA1cがぐんぐん下がる〈糖尿病〉かんたん自力療法77」/イラスト:三浦晃子

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